「早くしなさい!」
「もう、自分でやって!」
そう言いながら、気づけば全部こっちが決めてしまってる……。そんな経験、ありませんか。
着替え、食べるもの、宿題のタイミング。子どものペースにハラハラして、つい先回りして声をかけてしまう。でも、その「親切心」が知らずに、子どもが自分で考えるチャンスを奪っていることがあるんです。
正直、私も毎朝やってしまってます。「もう出る時間だよ」と一方的に言いながら、娘の返事も待たずに上着を手渡してしまう、あの感じ。
「決めてもらう子」と「決める子」の差はどこで生まれる?
教育現場で16年間、たくさんの子どもを見てきましたが、自分に自信がある子とそうでない子のあいだには、意外とはっきりした差があります。
それは、「小さなことを自分で決めてきたか」どうか、だったりするんです。
「自分で選んだ」という感覚は、子どもにとって小さいけど、確かな成功体験になります。何を食べるか、どこで着替えるか、そんな日常の選択の積み重ねが、「自分はちゃんと決められる」という感覚の土台を作っていきます。
逆に、何でも先に答えを渡されてしまうと、子どもは「考えなくていい」と学習してしまう。そっちの方がちょっと怖い話だな、と思っています。
「やる?やらない?」じゃなく「どっちにする?」
ここで試してほしいのが、選択肢の出し方を変えてみること。
「片付けなさい」ではなく、
「先に片付ける?ごはんのあとにする?」
「早く着替えて」ではなく、
「ここで着替える?それとも玄関でやっちゃう?」
ポイントは、「やる・やらない」を選ばせないこと。「どっちの方法でやるか」だけを選んでもらう。
脳は「どちらがいいかな?」と考え始めると、さっきまでの「やりたくない」モードから自然と切り替わりやすくなります。娘に試したら、「じゃあ玄関!」と意外とすんなり動いてくれてびっくりしたことがありました(笑)。
失敗したって、それでいい
「自分で決めた」結果、うまくいかないこともありますよね。傘を持っていかなかったら雨に降られた、好きなものから食べたら時間が足りなかった。
そこで「だから言ったじゃん!」と言いたくなる気持ち、私もすごくわかります。でもそこはグッとこらえて、
「そっか、悔しかったね。次はどうする?」
この一言に変えてみてください。
失敗の後にこそ、子どもが自分で「次はこうしよう」と考える余地が生まれる。親が先に答えを出してしまうと、そのせっかくの場が消えてしまうんです。
思春期以降になっても「どうしたらいいかわからない」と固まってしまう子の多くは、幼い頃にその”考える余白”を持てなかったケースが少なくない、と現場でよく感じてきました。
まとめ|毎日の「どっちにする?」が、じわじわ効いてくる
完璧にやれなくて大丈夫です。私も今朝、また先に上着を渡してしまいました。
「あ、今日もやっちゃったな」と気づいた瞬間に軌道修正すればいいんです。大切なのは毎回じゃなくて、続けること。
声かけを変えてみるポイントをまとめると、
- 「やる・やらない」より「どっちの方法でやる?」
- 失敗しても、すぐに答えを渡さない
- 「次はどうする?」と一緒に考える
- 小さな「自分で決めた」を見逃さずに拾う
子どもが「自分で決めた!」と感じる瞬間は、ドラマチックな場面よりも、朝のちょっとした問いかけの中や日常生活の中にあると思うんです。
今日の「どっちにする?」が、数年後の「自分で考えられる子」につながっていると思うと、ちょっと丁寧に聞いてみようかな、という気持ちになりませんか。

