「○○くん、もうひらがな全部書けるんだって」
公園帰りに聞いたママ友のひと言が、夜になっても頭から離れない。そんなこと、ありませんか。
娘のひらがな練習ノートを眺めながら、「まだ『め』と『ぬ』が苦手だよな……」と焦りが湧いてくる。誰に何を言われたわけでもないのに、気づけば比べている。
正直、私もやってしまいます。16年、いろんな子どもの成長を見てきたはずなのに、わが子のこととなると、その知識がすっぽり抜けるんですよね。
比べてしまうのは、愛情のせい?
「なんでつい比べちゃうんだろう」と自分を責める方も多いですが、これは子どものことを本気で心配しているから出てくる感情だったりします。
ただ、比べる時間が長くなると、親の余裕が少しずつ削られていきます。SNSを開くたびにモヤモヤして、子どもの笑顔より「できてないこと」ばかり目に入ってくる。そして子どもも、その視線をなんとなく感じとるんですよね。「あれ、ちゃんとできてる?」という親の目を。
「遅れ」じゃなくて「まだ順番が来ていない」
教育現場で長く働いてきて思うのは、子どもの成長は本当にバラバラだということです。
3歳でひらがなをスラスラ読む子がいる一方で、5歳までほとんど興味を示さなかった子が、小学校に入って一気に追い抜いていく。そんな場面は、珍しくありませんでした。
「同じ年齢なら同じくらいできるはず」は、大人側の思い込み。今できていないことは「遅れ」ではなく、「まだ順番が来ていない」だけかもしれません。
ただ、気になる状態が長く続くときは、ひとりで抱えなくて大丈夫です。園や学校の先生、自治体の相談窓口など、話を聞いてくれる人はいます。
比べる相手は、昨日のこの子
比べるなら、他の子じゃなく「昨日のこの子」。
「今日、自分から靴を揃えてた」
「昨日より少し大きな声でおはようが言えた」
「ブロックを前より高く積めた」
毎日見ていると気づきにくい小さな変化も、少し引いて見ると、ちゃんと積み重なっています。
保育園に通う娘を車でお迎えに行ったとき、娘が自分から「お迎え、ありがとう」と言えた日がありました。前の週までは、黙って車に乗るだけだったのに。思わず「今の、めちゃくちゃ嬉しかったよ」と言ったら、照れ笑いしながら、しばらくニヤニヤしていました。
誰かと比べていたら、きっと見逃していた瞬間です。
まとめ|比べグセが出た夜は、「今日のこの子」を見る
比べてしまう自分を、責めなくて大丈夫です。それだけ考えている証拠なので。
私も、比べグセが出る夜は今もあります。
比べグセが出たとき、まとめると
- 「○○ちゃんは」ではなく、「昨日より」を基準にする
- 「できないこと」より、今日できたことをひとつ見つける
- 子どもの好きな場面で、ひと言だけ声をかける
いつか娘と息子が大人になって、「あのとき、比べないでいてくれたんだね」と思ってくれたら、それで十分。ノートの「め」と「ぬ」は、まだ練習中です。

