「いのちの大切さを伝えたい。でも、どんな言葉を使えばいいかわからない」
死生観とか命のつながりは、大人でも整理しきれてないテーマでもあったりします。
今回紹介するのは、『いのちのまつり ヌチヌグスージ』(草土文化/作・絵:草場一壽)。
全国の小学校道徳副読本にも採用されている絵本です。
「ヌチヌグスージ」って、何?
「ヌチヌグスージ」は、沖縄の方言で“いのちのまつり”という意味。
沖縄ではお盆のように先祖を敬い、命のつながりを祝う習慣として根付いているそうです
絵本のストーリーは、主人公のまもるくんが家族とお墓参りに行く場面からスタート。
そこから、自分のいのちがたくさんの人によってつながれてきたことを知っていく、という流れです。
読んでいると、「いのち」が”重いテーマ”というより“温かいリレー”として伝わってくるのが、この絵本ならではだと思います。
先生として読んで、正直に思ったこと
教員として道徳の授業を担当してきた経験から言うと、「命を大切に」という言葉は子どもに届きにくい。
抽象的すぎて、自分ごとになりにくいんです。
この絵本が面白いのは、自分のひとつ前の命、そのまた前の命…と視覚的に広がる見開きページがあるところです。
数珠つなぎのように広がっていく「いのちの連鎖」を絵で見せることで、子ども自身が「自分も誰かのおかげでここにいる」と気づく構造になっています。
「感謝」を言葉で教えるより、感じさせたい。
教員目線で見ると、その設計がよくできていると思いました。
娘と読んだら、思わぬ一言が返ってきた
この絵本を読んだ夜、娘(当時5歳)がふとこう言ったんです。
「パパのおじいちゃんも、生きてたんだよね?」
一瞬、どう答えようか迷ったんですが、「そうだよ、だからパパがいて、〇〇ちゃんもいるんだよ」と話したら、娘がじっと考え込んでいました。
絵本が”いのちの話をするきっかけ”を作ってくれた感覚で、こういう本の使い方が一番自然だと思っています。
読み聞かせより、読んだあとにぽつぽつ話す時間のほうが、記憶に残ったり考ある時間があったりする気がします。
こんな子・こんな時期に向いている
- 年中〜年長(4〜6歳):絵で楽しみながら”感じる”段階として
- 小学校低学年:道徳的なテーマを自分ごとにしやすい時期
- 小学校高学年:内容的には易しめ。読書体力のある子には物足りないかも
- 「死」について質問し始めた子:恐怖より「つながり」で命を捉えるきっかけになる
「なんで人は死ぬの?」と聞かれて言葉に詰まったとき、この絵本を一緒に開くのもいいな、なんて思いました。
大切にしていたペットたちにも、親や祖先はもちろんいますもんね。
まとめ|「命を大切に」を言わなくていい絵本
正直に言うと、この絵本は道徳の副読本に採用されているわりに、説教くさくないんです。
「命を大切にしなさい」とは一言も言わずに、読んだ子が自然と「生まれてきてよかった」という感覚に近づける設計になっています。
「いのち」という言葉を使わずに、命の温かさを伝えてしまう。
それがこの絵本の、一番静かなすごさだと思っています。
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