「スマホは便利だけど、心配も多い」
そう感じている親御さんは多いのではないでしょうか。
SNSやネットトラブル、スマホ依存……。どんな家庭でも「スマホルール」をどう決めたらいいのか、悩みますよね。
「スマホを安全に正しく使う力は、早いうちに育てるほど効果がある」。これは、私がこれまでたくさんの生徒たちを見てきた中で感じています。
特に中学生や高校生になってからルールを厳しくしようとしても、子どもが親に見せることへの抵抗感が強く、“事後学習”になってしまうことが多いのが現状です。
だからこそ、スマホやSNSのトラブルは「未然防止が何より大切」。「デジタルタトゥー」という言葉があるように、一度投稿した内容は消すことが難しく、後悔しても遅いからです。
この記事では、世界中で話題になった「グレゴリーのiPhone契約(スマホ18の約束)」を参考に、わが家で実践しているスマホルール18個を具体的にご紹介します。親子が納得してスマホを正しく使う力を育むヒントとして、ぜひご活用ください。
「スマホ18の約束(Gregory’s iPhone Contract)」とは?
「スマホ18の約束(Gregory’s iPhone Contract)」とは、2012年にアメリカの母親が、13歳の息子(中学生)にiPhoneをプレゼントする際に交わした具体的なスマホ契約書です。
当時、この「スマホ契約書」は世界中で話題になり、今でも多くの家庭でルール作りの参考にされています。
賛否はありますが、この契約のとっても良いポイントは、「スマホをどう使うか」を親子できちんと話し合い、お互いの責任と義務をルールとしてわかりやすくしたことです。これは、小学生や中学生にスマホを持たせる際の理想的なスタートラインだと思います。
小学生・中学生のスマホルールづくりは「一緒に」がカギ
小学生の低学年のうちは、まだまだ親と一緒に操作を確認しながら学ぶ時期。
たとえばLINEを始める時も、親同士がつながって見守る体制を作ったり、「この言葉だと、ちょっときつく聞こえるかもね」「写真は送らず、自分のスマホで見せるだけにしようね」といった声かけを通して、スマホのマナーや伝え方を自然に覚えていくことができます。
いきなり自分専用のスマホを持たせるのではなく、まずは家で使っていない端末を練習用に使ってみるのもおすすめです。
【実例】わが家の「スマホ18の約束」(小学生〜中学生向け)
ここでは、わが家が「スマホ18の約束」を参考にして作った実践ルールを紹介します。小学生の導入期から中学生のルール見直しまで、親子で確認しながら、それぞれのご家庭に合ったルールにアレンジしてみてくださいね。
基本の約束
- パパママのスマホを貸してあげるね(あなたのものではないよ)
- パスワードはパパとママに教えてね(見ることもあるよ)
- パパとママからの電話には必ず出ようね
- 朝7:00にオン・夜20:00にオフ(就寝時はリビングに置く)
- 学校には持っていかないよ
マナー・安全の約束
- 紛失・破損は自己責任(修理代は貯金から負担)
- 嘘・悪口は禁止。見つけたらすぐに親に相談しようね
- 直接言えないことはスマホでも言ってはいけないよ
- 文章は見直してから送ろうね(相手に誤解されないかチェック)
- アダルトサイトは禁止(法律違反です)
使い方の約束
- 公共の場では「カバンの中」にしまおうね(マナーモード徹底)
- 肌の露出がある写真・動画は絶対に送らない・受け取らない
- 撮影時は必ず安全を確認しようね(道路や階段では撮らない)
- 月に1回「スマホを見ない日」を作ろう(アウトメディアチャレンジ!)
心を育てる約束
- いろんなジャンルの音楽を聴こう
- 昔ながらのゲームやパズルでも遊ぼう(アナログな遊びも大切に)
- ネットで調べる前に辞書や本、周りを見てみようね(自分の足と目で情報を得る)
- 失敗しても大丈夫。話し合って改善しよう
スマホを「奪う」のではなく「一緒に育てる」
スマホは、危険な道具にも、世界を広げるツールにもなります。
大切なのは、「禁止」ではなく「信頼」と「対話」。
親が一方的にルールを押しつけるのではなく、「どうしてこのルールがあるのか」「なぜこれを守る必要があるのか」を一緒に考えていくことで、子どもは自分で判断する力を少しずつ身につけていきます。
さいごに|「一緒にスマホを育てる」親子時間を
スマホを使い始める時期は、家庭によってさまざまです。
でも、「いつから持たせるか」よりも「どう使うか」の方が、ずっと大事。
親が一方的にルールを押しつけるのではなく、対話で伝えていくことが、何よりのスマホ依存対策・自立を促す、家庭でできる教育になります。
まずはこの「スマホ18の約束」をたたき台に、家族会議を開いてみませんか?
親子で一緒に「家庭のスマホ契約書」を作る時間こそが、子どもたちのデジタル時代の守る力を育みます。
