「宿題しなきゃいけないんでしょ…」
「歯みがき、しないといけないんだよね…」
そんなふうに、“義務感”でいっぱいな言葉を、小学生の子どもから聞いたことはありませんか?
その裏には、「やらなきゃいけない」「怒られるからやる」といった不安や焦りが隠れていることが多いんです。
今回は、「〇〇しなきゃ」に縛られすぎてしまう子どもに対して、子どもの気持ちに寄り添いながら、ちょうどいいルールや声かけで自己肯定感を育てていくヒントをお届けします。
小学生に増える「〇〇しなきゃ」の背景
小学生になると、学校生活の中で「集団のルール」や「やるべきこと」をたくさん学びます。
でもその中で、「ちゃんとしないとダメ」「うまくできないと怒られる」という気持ちが強くなってしまう子も。
たとえば、
- 「宿題は絶対に全部やらなきゃ」
- 「歯みがきはちゃんとやらないとダメ」
といった“義務”のような気持ちが強くなってしまうと、「自分で選ぶ」「楽しく取り組む」という余裕が持てなくなってしまうんです。
「〇〇しなきゃ」を緩める5つの工夫
1.気持ちを受けとめる
「〇〇しなきゃいけない」と言ったときは、頭ごなしに否定せず、その気持ちを一度そのまま受けとめることが大切です。
たとえば、
- 「そう思ってるんだね。何かあった?」
- 「〇〇するのが大事だと思ってるんだね」
と共感することで、子どもは安心して本音を話しやすくなります。
2.「〜しなくても大丈夫だよ」と選択肢を広げる
一度気持ちを受け止めたら、義務的な思い込みをゆるめる声かけをしましょう。
- 「今すぐじゃなくてもいいよ。ちょっと休憩してからでもOK」
- 「今日はこれだけやってみようか?」
- 「お片付けは、全部じゃなくて、ここにある使った物だけでいいよ」
“完璧じゃなくていい”“やり方は一つじゃない”と知ることが、柔軟な思考と自己肯定感の土台になります。
3.「やりたい気持ち」を引き出す声かけ
子どもが「やらされてる」と感じると、どうしてもやる気は続きません。
- 「本当は、どうしたい?」
- 「やってみたいタイミングがある?」
- 「遊んだあとにやるっていうのもアリだよ」
子ども自身の“やりたい”気持ちを大切にすることで、行動が自分ごとになり、前向きになれます。
4.失敗も「大丈夫」と伝える
「やらなかったらどうなるか?」をあえて経験することも、実は大切です。
- 「今日はやらなかったけど、どうだった?」
- 「次はどうしたらうまくいくかな?」
親がフォローできる範囲で失敗を経験することで、「しなくてもなんとかなる」「自分で考えられる」という自信につながります。
5.自分で決めたことを褒める
何より大切なのは、子どもが自分で考えて動けたことを、しっかり認めること。
- 「自分で考えて選べたね!」
- 「やりたい気持ちを教えてくれてありがとう」
- 「やらなくても、こうやって工夫できたのすごい!」
こうした声かけで、子どもは「してあげるから評価される」ではなく、「自分で決めるって楽しい!」と感じられるようになります。
「今日中に」「時間がない!」…親の悩みはどうする?
そうは言っても、現実には「早く寝る時間」「宿題の提出期限」がありますよね。
「いつやるか」を一緒に決める
「今すぐやらないと!」ではなく、
- 「いつだったらやりやすいかな?」
- 「ごはんの前と後、どっちにやる?」
と時間を選ばせるだけで、子どもの気持ちはずっとラクになります。
可視化する「やることボード」が効果的
視覚的にわかりやすくすると、子ども自身が時間を意識できるようになります。
- ホワイトボードに「宿題」「歯みがき」などを書く
- 終わったらチェックやシールで達成感UP
時間管理の練習にもなり、「育児の悩み・時間管理」の解決にもつながります。
区切りとご褒美をセットに
- 「あと5分だけやってみよう!」
- 「ここまで終わったら、ちょっとだけおやつ食べちゃう?」
スモールステップで成功体験を重ねることで、「やる気」はグッと高まります。
おわりに|“ちょうどいいルール”が、子どもの自信を育てる
「しなきゃ!」
「怒られるからやるんでしょ?」
「どうせ…」
そんな義務感だけで動くのは、大人だってしんどいもの。
だからこそ、子どもにも“ちょうどいいルール”を。
自由と責任のバランスの中で、自分で選べる力を育てていくことが、自己肯定感を高める一歩です。
焦らず、ゆるやかに、でも着実に。
今日からできる声かけ、試してみてくださいね。