「抱っこはまず弟ね」
「お姉ちゃんなんだから、ちょっと待っててね」
そんな言葉を言うたびに、心がズキっとする日、ありませんか。
私自身、上の子の要求を断つたびに“ごめんね”と胸が痛くなることが何度もあります。
でもそんなパパママに伝えたいのは、
謝るパパとママは何も悪くないということ。
下の子の命や安全を守るために、どうしても優先する場面はあります。これは親として自然なこと。
ただ、上の子の心の中では、こんな積み重ねが起きていることも知っておいてほしいなと思います。
「下の子優先」が、上の子の“愛情コップ”を空っぽにしていく
上の子は、頭ではわかっているんです。
「弟(妹)は小さいから仕方ない」って。
でも、“わかっている”と“満たされている”は別の話。
上の子は我慢するたびに、心の中の愛情コップが少しずつ空っぽになっていきます。
とくにパパやママが
「えらいね」
「お姉ちゃんだね」
「お兄ちゃんだね」
と声をかけたとしても、それは“我慢を支える言葉”であって、愛情コップを満たす言葉ではないんです。
空っぽのコップは、やがて…
- 不満(ため息やいじけ)
- 自己否定(「どうせできない」)
- 反抗(わざと困らせる行動)
という形であふれ始めます。
だからこそ、上の子のコップを“意図的に満たす時間”が必要なんです。
家族みんながホッとする「スペシャルタイム」の魔法
そこで紹介したいのが、ペアレントトレーニングでも大切にされている、「スペシャルタイム」という方法です。
これは、誰にも邪魔されずに上の子の愛情コップを一気に満たす、親子だけの特別な時間。
やり方はとってもシンプルです。
スペシャルタイムのやり方
時間を固定する(10分でOK)
例えば、
「毎日、夕飯のあと10分だけは上の子の時間」
「朝の出発前の5分」
など短い時間でOK。
この時間だけは“必ず上の子の世界が優先される時間”というルールにします。
上の子が“全部決める”
この時間だけは、上の子が“主役”。
遊びも、ルールも、ペースも上の子が決めます。
パパママはアドバイスはしません。
「これはどう?」「こうしたら?」もナシ。
ただ一緒に楽しむだけで100点です。
パパママは“実況中継+具体的に褒める”
スペシャルタイムの効果を最大にするコツは、実況中継をすることです。
「この色を選んだんだね!」
「となりでにこにこしてるのが可愛いなぁ」
「その作り方、〇〇らしくて素敵だね」
子どもの行動を“ただ言葉にしてあげる”だけで、「見てもらえてる」と感じ、安心でコップが満ちていきます。
たった10分!上の子の心を満たす時間
上の子の愛情コップが満たされはじめると、こんな変化が起きてきます。
- 下の子にも優しくなれる
- 普段の我慢が自然にできる
- 自信が戻ってくる
そして、何より
パパママの「ごめんね」が減っていきます。
まとめ|罪悪感よりも、“つながり”を
子育ての正解なんて、やっぱりどこにもありません。
でも、「あなたを大事に思っているよ」というメッセージを、毎日ほんの少しだけ届けることはできます。
今日から、上の子だけの“10分のスペシャルタイム”、始めてみませんか?
