子どもたちに“思いやり”や“優しさ”をどう伝えようか、悩むことってありますよね。
そんなときにぴったりなのが、絵本『どうぞのいす』です。
うさぎさんが心をこめて作った「いす」から、動物たちの“やさしい連鎖”が広がっていきます。
小さな子にもわかりやすく、“やさしさって気持ちいいな”と自然に感じられる名作なんです。
かわいい“うさぎさんのいす”が物語のスタート
物語は、うさぎさんが木で「いす」を作るところから始まります。
耳としっぽがちょこんとついた、とってもかわいいデザインのいす。
「ものづくりが大好きな子」なら、「ぼくも作りたい!」「私も!」と目を輝かせるかもしれませんね。
うさぎさんは、そのいすの近くに「どうぞのいす」と書いた札を立てかけます。
「どうぞ」の気持ちが込められたそのいすが、やがていろんな動物たちの優しさをつないでいくんです。このやさしさのリレーが、この本のいいところ。
「どうぞ」の形はいろいろ。でも、思いは同じ。
うさぎさんの次に登場するのは、重たい荷物を運んでいたロバさん。
疲れていたロバさんは「どうぞのいす」に、どんぐりが入ったカゴを置いて一休みします。
そして、どうぞのいすにカゴを置いたまま、ロバさんはうとうと寝てしまいます。
そこで次にやってきたのは、くまさん。
お弁当を見つけて「どうぞって書いてあるから、もらっていいのかな?」と全部どんぐりを食べてしまいます。そして、「なくなったらかわいそう」と、自分のはちみつを置いていく。
その次は、きつねさん、りすさん…と続き、それぞれが相手を思いやる“どうぞ”の行動を見せてくれます。
読み聞かせのテンポがとってもよく、リズミカルな繰り返しが心地いいんです。子どもも自然と口ずさむように、次の展開を楽しみにして聴いてくれますよ。
「どうぞ」の言葉が日常に広がる
わが家でも、この本を読んでから、子どもが「どうぞ」をよく使うようになりました。
たとえば、
- 「このおもちゃであそんでもいい?」「どうぞ!」
- 「いっしょにうたってもいい?」「どうぞ〜」
そんなやりとりが日常のあちこちで増えてくると、家の中がちょっと優しい空気になるんです。
「どうぞ」って、ただの言葉じゃなくて、“相手を思う心”そのもの。
この絵本を通して、子どもも大人もその温かさを感じられるのが魅力です。
読み聞かせのコツ|テンポと表情で“思いやり”を伝える
2歳・3歳くらいの子に読み聞かせるときは、少しゆっくり、やわらかい声で読んであげるのがおすすめ。
「どうぞならば、えんりょなく…」「あとのひとにおきのどく」など、登場する動物たちの気持ちを声のトーンで表現してあげると、子どもたちも“気持ちの変化”を感じ取りやすくなります。
繰り返しの展開も多いので、「次はだれがくるかな?」と問いかけながら読むと、子どもの想像力もぐんぐん伸びていきますよ。
“分け合う喜び”が、親子の心をつなぐ
この絵本を読むと、「誰かのためにできることって、ちょっとしたことでもいいんだな」と気づかされます。
お菓子を分け合うとき、順番を待つとき、そんな日常の中にも「どうぞのいす」のような優しさを表す場面ってたくさんありますよね。
みんなで分け合う喜び、誰かを思っての行動が、心をほっこり温かくしてくれる一冊です。
まとめ|絵本『どうぞのいす』で育む“思いやりの第一歩”
うさぎさんの「どうぞ」から始まった、やさしさのリレー。
この絵本は、子どもが“人を思う心”を自然に学べる2歳・3歳の読み聞かせ絵本としてぴったりです。
おうち時間の中で、「どうぞ」「ありがとう」「いいよ」のやりとりが増えるだけで、家族の雰囲気ってぐっとやわらかくなるもの。
『どうぞのいす』は、“友だちみたいな家族”をつくる第一歩になる絵本かもしれませんね。
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