ある日の夜、お風呂に入る前に服を脱いだ娘が、リビングに向かおうとしたんです。
私が軽い気持ちで投げかけたひと言から、お風呂冷戦が始まってしまいました。
「え、裸でどこ行くの?」
すると娘がピタッと止まり、「……もういい。大丈夫。」と小さく言って、お風呂場に戻っていきました。
あとからわかったのですが、どうやらお風呂用のおもちゃを取りに行こうとしただけだったみたいなんです。
洗い場の隅にちょこんと座り込んだ娘が、延々とぶつぶつ。
「はぁ…おにんぎょうと入りたかったな…」
「お風呂なにもないよ…もういいもん…」
心の中では、「自分で“大丈夫”って言ったじゃん!」「そんなに言うなら持ってきたらよかったのに!」と、イライラ、もやもや。つい、「泣くくらいなら持ってきてよ。我慢したなら最後まで我慢しようよ」と正論で言ってしまいました。
でも冷静になって考えたとき、あの小声の文句の裏には、子どもなりの葛藤が隠れていたのかも、と気づきました。
「言い返せない」けど「モヤモヤする」|心の交通渋滞
小学生になると、言葉が育つ分、「良い子でいたい」というプライドも芽生えてきます。だから、大声で泣き叫ぶ代わりに、ぶつぶつと小声でこぼす。あれは文句というより、行き場のない感情が漏れている音なんですよね。
「親に反抗したくない自分」
「でも、モヤモヤする気持ちの置き場所がない自分」
小さい体で、こんな感情がぶつかり合っていたんだと思います。そう気づいたとき、「泣くくらいなら…」と言ってしまった私の胸が、ギューっと締め付けられました。
「察して」を期待するのは、まだ早い
ペアレントトレーニングの講習でも出てくる話ですが、子どもが自分の気持ちをうまく言葉にできるようになるのは、もう少し先なんですよね。
「おもちゃ取ってくるね」。たったこれだけの一言が、まだスムーズに出てこない時期。だから親の出番は、「察して」を求めるんじゃなくて、伝え方を教えてあげることだったりします。
① まずは気持ちを代弁する
「おもちゃ持っていきたかったんだよね」
「パパに止められたと思って、びっくりしちゃった?」
文句の内容にツッコむんじゃなくて、その奥にある感情を言葉にする。それだけで、子どもは「わかってもらえた」とほっとします。
② 落ち着いてから、次の行動を一緒に考える
「次は『おもちゃ取ってくるね』って言ってみようか」
「そしたらパパも『いってらっしゃい』って言うね」
「我慢しなさい」じゃなくて、「どう言えばいいか」を教える。これが、人との関わり方を育てていくんだと思います。
まとめ|「ぶつぶつ」が聞こえたら、心の成長が始まってる合図
小学生になると、態度がちょっと面倒に感じる瞬間って、正直、あります。
でも今回の“ぶつぶつ”は、心が成長してる証なんですよね。気持ちをどう扱うか、言葉にどう乗せるか、まだ練習中。それを思い出すと、親の心にも少し余裕が戻ってきます。
私もついイライラして正論を言ってしまった夜でしたが、あとから「おもちゃ持っていきたかったんだね」と一言伝えたら、娘はほっとした顔をしました。それで十分だったんです。
ぶつぶつ言われたときの声かけ、まとめると
- 文句の内容じゃなく、気持ちを受け止める
- 「〜したかったんだね」と代弁する
- 落ち着いてから、伝え方を一緒に考える
あとから言ったあのひと言を、次は、その場で言ってみたい。「心の声が漏れてる」と思えたら、ちょっとだけ優しい夜になるかもしれません。

