「パパ、ママ、大好き!」と真っ直ぐに笑ってくれた幼い頃。
でも、小学生や中学生になると少しずつ言葉の端々に“トゲ”が混じること、ありませんか?
特に胸がキュッと痛むのが、この言葉。
- 「どーせ、できないでしょ」
- 「どうせ無理だし…」
何かに挑戦してほしい時にこんな返しをされると、悲しいような、もどかしいような、複雑な気持ちになりますよね。
「そんなことないよ!」
「やってみなきゃわからないよ!」
そう励ましても、子どもは「でも…」と殻に閉じこもってしまう。
今日は、そんな“どーせ”の壁にぶつかった時、パパママができる小さな言葉かけの工夫をお話しします。
「どうせ」は、子どもが自分を守るための“心の防波堤”
うちの小学1年生の娘もときどき「どーせモード」に入ることがありました。
親としてはつい、
「諦めちゃダメだよ」
「やればできるよ」
と伝えたくなるのですが、実はここに落とし穴があるんです。
子どもの「どうせできない」は、やる気がないわけでも、怠けているわけでもありません。
その裏には、
- 失敗してかっこ悪いところを見せるのが怖い
- パパやママをガッカリさせたくない
- 頑張る気持ちはあるけど、自信がない
こんな不安が隠れています。
つまり、「どうせ」と言うことで、傷つくのを防ごうとしている“心の防波堤”なんです。
だからこそ、「そんなことない!」と強く否定すると、「パパママは、私の怖さをわかってくれない!」と感じてしまい、防波堤をさらに高くしてしまうこともあります。
励ますより効果的? “どーせ”に効くたった2つのステップ
では、どうすればこの防波堤を越えて、子どもの背中を押せるのでしょうか。
ペアレントトレーニングの視点も借りながら、今日から試せる「2つのステップ」をご紹介します。
1. 「どうせ」の言葉は、あえて“スルー”する
子どもが「どうせ無理」と言ったときは、あえてその言葉には深く反応せず、さらっと受け流してみてください。
- 「そう思うんだね」だけでOK
- 「そんなこと言わないの!」と叱る必要はなし
- 「できるよ!」「ほら!」という説得も逆効果になりがち
ネガティブな言葉に注目が集まると、「この言葉を言えば、パパが心配してかまってくれる」と学習してしまうことがあります。
ここは親の忍耐の見せどころ。
言葉ではなく、その後の“行動”に注目します。
2. 結果じゃなく、「始めたこと」を実況中継で褒める
これが一番魔法のように効きます。
「どうせ」と言いながらも、子どもって案外、えんぴつを持ったり、教科書を開いたりしませんか。
その “小さな一歩” を、逃さずに褒めます。
- 「お、えんぴつ持ったね!」
- 「難しいって言いながらも、1問書き始めたね」
- 「わからなくても30秒考えたの、すごいよ」
100点や成功の“結果”ではなく、「始めた勇気」「プロセス」「努力」に光を当てることがポイント。
“踏み出した瞬間”の褒め言葉が加われば、自己肯定感はさらに伸びていきます。
まとめ|「大好き」の土台がある子は、必ず前に進める
自己肯定感の根っこには、「できてもできなくても、パパママは私の味方」という揺るがない安心感があります。
だから、もし「どーせできない」と言っていたときは、
「そっか。パパとママは頑張り屋さんだって知ってるよ」
と独り言みたいに伝えるだけで十分。
そして少しでも手が動いた瞬間、
「お!始めたね、かっこいい!すごい!」
と、最高の笑顔で声をかけてみてください。
その積み重ねが、いつか
「どうせ無理」→「ちょっとやってみようかな」
に変わるかもしれませんよ。
