ある中学1年生と話していたとき、すごく大切な気づきをもらいました。
その子がぽつりと言ったんです。
「A先生は嫌い。だって『勉強は将来のために勉強しよう』って言ってたから。」
逆に、
「B先生は好き。『勉強は楽しむために勉強しよう』って言ってたから。」
この言葉を聞いてどう感じましたか?
私たち子育て中の大人にとっては、ドキッとする、少し耳が痛い言葉ではないでしょうか。
子どもの“今”と大人の“未来”
子どもの目線と、大人の目線って、本当に違います。
私たち大人は、どうしても「将来のために」「未来で困らないように」という視点で話してしまいがちですよね。
それは、私たちがすでに未来を経験しているから。成功したり、苦労したり、遠回りしたり…。
その全部を“良かれと思って”子どもに伝えてしまうんです。
だけど、子どもは 「今」 を生きている存在。
「これから先のためにがんばる」よりも、「今この瞬間をどう楽しむか」が子どもにとっては大切なんです。
この違いに気づくことって、親としても先生としても、とても大切なんですよね。
本当は、勉強は「楽しむための学び」から始まっている
中学生のその一言をきいて、私も改めて 「勉強ってなんだろう?」と考えさせられました。
だって、本来の勉強って、すべて 「楽しいから知りたい」に根っこがあります。
- 言葉を勉強するのは、いろんな知識を知って世界が広がって楽しいから。
- 歴史を知ると、「昔の人ってこんなこと考えてたのか!」とワクワクして楽しいから。
- 計算ができると、買い物がちょっと楽しくなったり、複雑なゲームが理解できて楽しいから。
全部、もとは 「楽しむための学び」 なんですよね。
私たち大人がつい忘れがちな「当たり前」を、子どもは素直に気づかせてくれるんです。
子どもたちの成長は、いつも 「楽しい!」という気持ちから始まっている。
そう思ったら、なんだか子育てのプレッシャーが少し軽くなってホッとしませんか?
今の「楽しさ」に寄り添う
私たち大人が学んでいることや挑戦していることの多くも、突き詰めれば「楽しむため」につながっています。
資格取得や仕事のスキルアップなどは「将来のため」という要素もありますが、その先には 「仕事が楽しくなる」があるはずです。
もし、子どもが勉強でつまずいていたら、「将来が心配…」と不安になるのではなく、
「今、この勉強のどこに楽しさを見出せていないんだろう?」
と、視点を変えてみるのも一つの方法です。
- 「これを知ると、もっとゲームが楽しくなるかもよ?」
- 「この計算がわかったら、得しちゃうかもよ?」
そんなふうに、“未来のため”ではなく、“今のワクワク”にそっと寄り添ってあげることが大切なのかもしれません。
「子育てって、子どもの成長を一緒に楽しむことなんだ」そんな気持ちを、改めて思い出せる時間でした。
まとめ|今の目線で楽しく子育て
もし、いつも「将来困らないために勉強しようね」と言っていたら、今日はほんの少し言い換えてみてはどうでしょうか。
- 「できるようになると、きっと楽しいよ」
- 「これ、知るっておもしろいよね。一緒に見てみる?」
- 「この知識が、〇〇にも役立つかもね!」
そんな一言だけで、子どもはぐっと心を開きやすくなります。
完璧な子育てなんてありません。親だって完璧じゃなくていいんです。
子どもと同じ “今”の目線で、一緒に楽しめる時間が少しでも増えますように。

