「もう!なんでこぼすの!」
夕食後、娘がコップを倒した瞬間に出たひと言。
口から出たと同時に、「あ、また言っちゃった」と気づいているのに、止まらない。後片付けをしながら、心の中でひっそり「ごめんね」とつぶやく夜があります。
子どもの失敗に反射的にイラッとするのは、もうどうしようもないくらい自然なことだと思います。でも最近、ちょっと視点を変えるだけで、同じ「やっちゃった」が違って見えることに気づいたんです。
その「なんで」、届いてないかもしれない
「なんでそんなことするの!」
このひと言、実は子どもにとってはほぼ答えられない質問だったりします。
2歳の子がブロックを崩してしまうのは、手の使い方やバランス感覚がまだついていないから。5歳の子が壁にクレヨンで描いてしまうのは、「描きたい!」という気持ちがあふれた結果。「なんで」の答えは、「経験が足りなかった」「気持ちに体が追いつかなかった」ということが多いんです。わざとじゃなくて、まだ知らないだけ。
そう思うと、「なんで」より「どんな気持ちだった?」と聞くほうが、話が広がるんですよね。
叱る前に、ひと呼吸
講習で繰り返し聞いた考え方に、「行動の前にある気持ちを見る」というものがあります。行動だけに反応せず、「何があってそうなったのか」に目を向ける、というアプローチです。
失敗を頭ごなしに叱られると、子どもの中に「やっちゃいけないことをした」という罪悪感ばかりが残りやすい。でも「困っちゃったね」と共感から入ると、安心して、自分の行動を振り返る余裕が生まれてきます。大人も同じで、怒られると固まるけど、「どうしたの?」と聞かれると話せたりしますよね。
失敗のあとに使っている、3つの声かけ
我が家で実際に使っている言葉です。
① 「何があったのか、教えて」
「なんで」ではなく、出来事を一緒に思い出す聞き方。子ども自身が「あ、だからか」と気づくきっかけになります。
② 「次はどうしたらいいかな?」
叱られて終わりではなく、「次」を考えることで、失敗が経験になります。小さい子には、「一緒に拭こうか」と行動で示すだけでも十分です。
③ 「やろうとしてたんだよね、わかるよ」
これだけで十分なことも、けっこう多いです。
事例① こぼしてしまったとき
「びっくりしたね。どうしたらよかったかな? 一緒に拭こう」
事例② 友だちのおもちゃを壊してしまったとき
「壊れちゃって、どんな気持ち?……そうか。じゃあ、なんて言えるかな」
ポイントは、解決策を「教える」のではなく、一緒に考えること。答えを渡すより、子ども自身が考えたほうが、ずっと記憶に残ります。
まとめ|失敗した子より、怒鳴った自分を責めないで
失敗にイラッとするのは、当たり前です。私も今、全然うまくできていません。それでも、怒鳴ってしまったあとに「どうしたかったんだっけ」と立て直せれば、十分だと思っています。
失敗への声かけ、まとめると
- 「なんで」より、「何があったの?」「どんな気持ち?」
- 共感してから、原因を一緒に探る
- 「次はどうする?」で経験に変える
- うまくできなかった日の自分も、責めすぎない
子どもの「またやっちゃった」は、成長の途中。親の「また怒っちゃった」も、同じく練習の途中です。倒れたコップは、拭けば終わります。どうせなら、失敗した同士でちょっと笑い合える親子でいたいな、と思っています。

